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佳冬神社の狛犬 その後(後編)

(前編からの続きです)
しょんぼりしつつ、神社跡を再訪したところ、神社跡地になんと、尾が残されていたのです。

Photo ほんとうにごろんと、無造作にころがっていました。なので探すというほどのことをすることなく、すぐ見つけられました。私に見つけてもらいたかったのでしょうか・・・そんなくだらない発想をしてしまうほど、わかりやすいところにあったのです。

早速見つけたその尾を、喜び勇んでSumiさん(以前、佐久間神社の狛犬を発見してくれた友人です)と抱えて学校へ持って行きました。この尾はセメントの塊で、中には芯になる鉄骨も入っているため大変重かったのですが、二人で何とか運ぶことができました。

S 再びお目にかかることとなった学校の守衛さんは大変驚いていましたが、尾の残っている阿と共にこの尾を見比べて確認することで、間違いなく吽の尾であることを理解していただきました。

そして、ぜひこの尾を修復してください、狛犬をわざわざ探し出してくださった学校の方々なら、きっとなおしてくださるでしょう、そしてもしよろしければ、修復が済んだ暁にはご連絡ください、と必死でつたない中国語で説明して、名刺を渡しました。守衛さんは大きくうなずき、今日は先生方がお休みですが必ず伝えます、そしてご連絡しますと答えてくださいました。

その後、佳冬高農の徐震魁校長先生に直接連絡を取り、改めて狛犬のお願いしたところ、大変ご丁寧なお返事を頂きました。そこには、狛犬の尾はきっと修復させること、そして修復が済んだら必ず画像を添えて報告しますので安心してください、とありました。私はその心遣いに深く感謝し、その日を楽しみにしてきました。



Photo_2 そしてとうとう今年の9月に、校長先生から尾の修復が終わったこと、そして佳冬神社の遺構が屏東県政府より文化遺産保護の対象に選ばれたことをご連絡いただきました。

そこにはもちろん、立派な尾をつけた吽の姿が添えられていました。

なんとか都合をつけて、10月21日に校長先生を訪ねることができました。その際、自由時報の記者の方が同席され、取材を受けることとなりました。

今回は台湾の廟会に詳しい友人、まきまきさんが同行してくれたおかげで、いろいろ話をすることができました。狛犬のことや、祭りのことなど、記者の方とも楽しくお話できました(彼女の通訳と、英語の先生による通訳、このお二方のおかげで細かい話ができました)。

さらには狛犬友達のliondogさんにも電話で助けていただくという、本当にいろんな方のおかげで狛犬の話をすることができました。

                                                                                                            

                          

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そしてひとしきり話した後、いよいよ吽との対面です。

立派に修復された姿を見たとき、嬉しさのあまり涙が出そうでした。吽も心なしか、誇らしげに見えました。

一番気になっていた、尾の付け根のループ部分ですが、見事に復元されていました。どういう方が修復されたのか訪ねたのですが、なんと廟の修理を手がけている専門家に頼んでなおしていただいたとのことで、そこまでしてくださったから、この美しさになったのだと改めて感動しました。

それから私がよかったねとしきりに狛犬をなでていると、皆さんが大変驚かれていました。そして「触っても大丈夫ですか」と尋ねられました。

確かに、台湾の墓などにある獅子は触れてはいけないと教えてもらったことがあります。なので、狛犬は触っても大丈夫で、石の狛犬はもともと庶民が奉納したものだから、もっと自分達に近しい存在だと思う、とか大まかに話しました。

かつて上杉千郷先生が狛犬は友達だと話されていましたが、まさにおっしゃる通りだと思います。

狛犬が先生方や学生達を見守ってくれる存在でありますよう、そして彼らが狛犬を歴史の先達として大切にしてくれるよう、願ってやみません。 Photo_4 Photo_6

最後に別れのとき、皆さんが私達にしきりにお礼をおっしゃいました。こちらこそ、こんなに狛犬に良くしてくださってどれだけ嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいかと逆に恐縮していたのですが、皆さんこうおっしゃいました。

「あなたのおかげで、今まで特に気にしていなかったこの狛犬が、とても意味のある存在であることを知ることができました、私達に教えてくださって本当にありがとう」

そして、私の手を握り、きっとまた狛犬に会いに来て下さい、とおっしゃられたのでした。

台湾の狛犬を訪ね始めて10年が過ぎ、判明している狛犬をほぼ全て訪ね終えましたが、こんなに嬉しい思いをしたのは、はじめてのことでした。本当にありがとうございました。私も皆さんにこう伝えました。

「私は台湾に残るほぼ全ての狛犬と会ってきましたが、ここ佳冬の狛犬が、どれよりも一番幸福であると思います、皆さんのおかげです、狛犬も心から感謝していると思います、きっと皆さんのことを見守っていくことでしょう」

<自由時報の記事、2012年10月24日(25日かも)掲載>

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