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基隆神社の狛犬

2004年7月18日訪問

Sjilongamae0011 Sjilongunmae0013

この狛犬を訪問した際の顛末については、先にサイトの日記に書いておりましたが、狛犬の紹介がこんなにおそくなってしまいました。

一見したところ、嘉義の狛犬とよく似ており、尾の形なども同じです。これらには同型モデルが存在したのではないでしょうか。

しかし、やはりそれだけでは納得できないのが台湾の狛犬。特に口玉などは九州の血を感じさせます。

Sjilongamigiyoko0010 Sjilongausiro0009 そこでまたもや狛犬仲間のliondogさんに相談した所、私の狛名をつけてくださった師匠、狛太郎さんに尋ねて見ては、とのこと。早速師匠にご連絡してみていただいたものをようやく発表できます。九州の狛犬に大変造詣の深い、そして狛犬愛あふれる狛太郎師匠による見解をお楽しみ下さい。

Sjilongakao0023 まず口中に玉を噛む意匠は九州の狛犬ではおなじみですし、体中に刻まれた沈線の渦も比較的よく見られるものです。しかし何と言っても、この素朴で人の良さそうな顔立ちこそが、日本の狛犬かと見まごう最大の要因でした。それでも日本製でないと判断する理由は、ひとえに眉の形です。高く突き出た眉に、申し訳程度の渦が表現されています。日本の石造狛犬は正面観、特に顔を重視するものであり、その際、眉は重要なパーツです。動物に眉があるというのも本来は変な話ですが、それでも敢えて眉をつけるからには、それだけ欠かせないものだからに違いなく、それなりに細心の配慮が施されているべき部分です。その点、この狛犬の眉は無造作であり、と言って稚拙とか不慣れという問題ではなく、造形上の意識の違いにほかならないと思います。

確かに、この眉はかなりいいかげんでした。

全体的に見ても、嘉義の狛犬がしっかり彫られたものに対し、これは甘く彫ったというか・・・このある意味「詰めが甘い」ように見えてしまう彫りが、台湾の狛犬によく見られるような気がします。

その理由として想像してみたのですが、写真などをモデルにして作成するなど、実物を目にしたことがなかった、立体として捉えたことのなかったものを彫ったのかなと思いました。

じゃあ岡崎狛犬のようなものは?となりますが、こちらはしっかりした図面のようなものがあったのではと思います。大正~昭和10年代ならば、日本から運んだ可能性もありそうです。

なかなか一言で説明できない、歴史同様に様々な要素を含んだ、味わい深き台湾の狛犬です。

<基本データ>

基隆神社(現:基隆忠烈祠)

設置年:大正八年六月(以下不明)奉納者名もうっすら認識できる。

特徴:犬歯が上下合わせて6本。耳は垂耳で、後ろに流れるような形。阿は玉をくわえている。体表に渦模様あり。頭頂及び耳にも彫られている。

クセス方法:基隆駅から忠一路をまっすぐゆき、愛四路との交差点を左へ。自由橋を渡り、新楽戯院の角を右に折れるとすぐに大きな門があり、上まで登ったところの右奥に忠烈祠への階段があります。

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コメント

コメントをご紹介いただき、有難うございます。
私自身の狛犬観も少しずつ変化しているだけに、
あの時のコメントが現在の私の心情から反れて
いないか少々心配でしたが、幸いに、そうでは
ありませんでした(ほっ!)

狛太郎師匠、本当に遅くなって申し訳ありませんでした。
でも絶対にこのコメントを紹介したいとずっと何とかせねばと努力して、結果として自分で出来る方法がこれでした・・・
不肖の弟子ですが、また今後ともよろしくお願いいたします。

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