清水祖師廟の金属獅子
2007年5月17日訪問
大溪の狛犬をたずねたその足で、バスに乗り三峡へ向かいました。
街をはずれ、どんどん山の中を進むバスの風景があまりに変化してゆくので楽しい小旅行気分でした。
清水祖師廟に一番近いバス停でおろしてもらい、街を散策しつつそちらへ向かいました。
三峡は古い街並みが所々に残っている、ぶらつきがいのあるところでした。
さて清水祖師廟は、芸術性の高い素晴らしい彫刻で大変有名ですが、それ以外にも興味深いところがいくつかあります。
まず台湾神社の鳥居が正殿の廊柱として使われていることは以前紹介しましたが、そのほかにもうひとつ、ここに戦後据えられた一対の金属獅子のモデルが狛犬だという話をフリーライターとして活躍されている片倉佳史さんから伺ったのです(ただしモデルが狛犬らしい、という伝聞以上のことは現在のところ何もわかっていないそうです)。
というわけで、この金属獅子に会いに行くために、バスに飛び乗った次第です。
さて早速会おうと意気込んで乗り込みましたが、参拝客が団体で訪れた直後だったため、もうえらいことです。もみくちゃです。何とか獅子に近づいたものの、とてもゆっくり見ることができません。しばらくうろうろしていましたが、一向に去る気配もないので、一旦諦めて外へ出て、老街をぶらつきました。
しかし、夕方とあって人気もなく寂しいものでした。諦めきれない私はもう一度清水祖師廟を訪れました。すると、丁度記念撮影中で、何と獅子の反対側に人々が集まっているではありませんか!
このチャンスを逃してたまるか!と必死で写真を撮り、そしてなでなでしました。獅子の頭は大勢の参拝客になでられて、ぴかぴかに輝いていました。
さてこの獅子は、金属狛犬をモデルにしたのだとは思うのですが、それにしてはあのりりしさにかけます。やさしい姿をしており、顔つきなどは特に異なり、どちらかといえば石造り狛犬にも近いものがあります。台湾の狛犬には、金属狛犬と石造り狛犬が混ざったような姿をしたものが見られますが、そのようなパターンをモデルとしたのかもしれません。
また、三義の木彫博物館で見た日本統治時代の木彫狛犬にも似ています。
それは、普段見かけるような木彫狛犬とは似ても似つかぬ姿をしており、石造り狛犬をモデルにして彫ったのではないかと思うような、やわらかい表情とやさしいつくりをしていました。
なぜ木彫狛犬で、そのような姿のものが存在していたのかと、最初見たときにはかなり驚きました。
しかし台湾国内において狛犬は独特のアレンジをされていることが多く、その木彫狛犬ももしかしたらその必要性がまず第一で、こうあるべきという決まりよりもそこにあることが優先され、その結果石造り狛犬や金属狛犬といった既存の狛犬の姿を基に彫られていったのかもしれません。
いずれにせよ、清水祖師廟で日々任務に励んでいるかわいらしい金属獅子が、いつかどこのどのような狛犬をモデルにして作成したものなのか、それがわかる日がやってきたらとても嬉しいのですが・・・
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